事務所ブログ

2014年11月30日 日曜日

特別縁故者

相続財産管理人の選任を行い、相続人捜索の公告を行っても相続人の届出がなかった場合は、相続人の不存在が確定します。

相続人不存在が確定した場合、特別縁故者は、財産分与の申立をすることができます。

特別縁故者とは、以下の者とされています。

1 被相続人と生計を同じくしていた者

2 被相続人の療養看護に努めた者

3 その他被相続人と特別の縁故にあった者

上記1には、被相続人と一緒に暮らしていた内縁の配偶者、事実上の養子、事実上の養親、継親子、子の妻などがこれにあたります。

上記2には、被相続人と生計を同じくしていなくても被相続人の療養看護に特に力を尽くした親族、隣人、知人等がこれにあたります。

上記3は、1、2の者に準ずる程度に被相続人との間に具体的かつ現実的に精神的物質的に密接な交渉のあった者で、相続財産をその者に分与することが被相続人の意思に合致するであろうとみられる程度に特別の関係があった者とされています。
具体的には、被相続人の元教え子や元勤務先の代表者が認められた例があります。
また、自然人だけでなく、公益法人、学校法人、地方公共団体等が認められた例もあります。

特別縁故者に分与される財産は、相続財産を構成する一切の財産です。

相続財産の中に共有財産がある場合、共有者への帰属より、特別縁故者への分与が優先します。

相続財産の分与を受けた特別縁故者は、遺贈を受けた場合に準じて相続税を支払うことになります。

相続財産についての疑問、質問等があれば、是非当事務所にご相談下さい。
藤沢法律税務FP事務所

投稿者 弁護士 石和康宏 | 記事URL

2014年11月28日 金曜日

相続人の不存在

相続人が最初からいない場合、あるいは、相続人の全てが相続を放棄したような場合は、誰にも帰属しない財産が存在する状態になります。

このような場合は、利害関係人又は検察官の申立てによって、相続財産管理人を選任し、相続財産を管理し、必要な処分をし、相続財産がなお残った場合に、国庫に帰属することになります。

具体的には、以下のような流れで処理が行われます。

相続財産管理人の選任及び選任公告
 
 
 

2か月後、相続財産管理人による相続債権者等に対する請求申出の公告、催告、弁済

2ヶ月以上後、相続人捜索の公告

6ケ月以上後、相続人不存在の確定

 3ヶ月以内に特別縁故者は財産分与の申立が可能 

相続財産管理人よる残余財産の国庫への引継ぎ

以上のように、相続人不存在の場合でも相続財産の処理には上記のような手続が必要となります。

したがって、相続の放棄をしたとしても、新たな相続財産の帰属者がその管理を始めることができるようになるまでは、自己の財産におけるのと同一の注意義務をもって、相続財産を管理しなければなりません。

相続放棄についての疑問、質問等があれば、是非当事務所にご相談下さい。
藤沢法律税務FP事務所

投稿者 弁護士 石和康宏 | 記事URL

2014年11月16日 日曜日

死亡退職金

死亡退職金とは、法人の役員や被雇用者が在職中に死亡した場合に支給される一時金です。

死亡退職金は、会社の支給規定で受給権者の範囲や順位を定めており、多くの場合、この定めは民法の相続人の順位決定の原則とは異なっていることから、死亡した者の収入に依拠して生活していた遺族の生活保障を目的としたものであって、受給権者である遺族は、相続人としてではなく、自己固有の権利として支給を受けるもの、すなわち、相続財産ではないと解されています。

死亡退職金(被相続人の死亡により受け取った退職金で、被相続人に死亡後3年以内に支給が確定したもの)は、相続税法上は、みなし相続財産として課税財産となります。
もっとも、遺族の生活保障であることを考慮して、500万円×法定相続人数までは非課税となります。

死亡退職金が、前述のように相続財産ではないとしても、例外として特別受益にあたるとされる場合があります。

遺産の範囲についての疑問、質問等があれば、是非当事務所にご相談下さい。
藤沢法律税務FP事務所

投稿者 弁護士 石和康宏 | 記事URL

2014年11月 2日 日曜日

墓地、仏壇の承継

墓石や仏壇のような財産は、祭祀財産といいます。

祭祀財産については、遺産分割の対象とならず、祭祀主宰者が承継することになります。

祭祀財産とは、系譜、祭具及び墳墓です。
系譜には、家系図などが、祭具には、位牌、仏壇やそれらの従物などが、墳墓には墓石、墓碑などがあたります。

墳墓の敷地である墓地は、墳墓の所有者が使用するのが通常であり、墳墓と社会通念上一体のものととらえてよい程度に密接不可分の関係にある範囲の墓地は、墳墓に含まれると考えられます。
ただし、墓地が墳墓に含まれないとした審判例もあります。

祭祀財産については、税法上も相続税のかからない非課税財産です。

祭祀財産を承継する祭祀主宰者は、第1に被相続人の指定により、第2に慣習によることになりますが、被相続人の指定も慣習も明らかでないときは、家庭裁判所の審判によることになります。

被相続人の祭祀主宰者の指定方法は、生前行為でも遺言でもよく、書面を要さず、黙示でもよいと考えられています。

家庭裁判所の審判の場合は、承継候補書と被相続人との間の身分関係や事実上の生活関係、承継候補者と祭具等との間の場所的関係、祭具等の取得の目的や管理等の経緯、承継候補者の祭祀主宰の意思や能力、その他の一切の事情を総合して判断すべきとされています。

祭祀主宰者とされた者は、権利を放棄したり、辞退したりすることはできません。
ただ祭祀財産を承継したとしても、祭祀を行う義務を課されるものではありません。

墓地の承継等についての疑問、質問等があれば、是非当事務所にご相談下さい。
藤沢法律税務FP事務所

投稿者 弁護士 石和康宏 | 記事URL

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