事務所ブログ

2014年10月 5日 日曜日

遺留分に関する民法の特例

中小企業の現経営者が、生前贈与や遺贈によって後継者である特定の相続人に自社株を集中しようとしても、原則として、他の相続人の遺留分を侵害するような贈与等は無効とされることになります。

また、生前贈与を受けた後継者である特定の相続人の貢献により自社株の価値が上昇した場合に、遺留分の評価時点は、相続開始時点であるため、想定外の遺留分の主張を受けることになるおそれもあります。

そこで、このような問題に対処するため、遺留分に関する民法の特例制度があります。

この特例を利用すれば、推定相続人全員の合意の上で、現経営者から後継者である特定の相続人に贈与等される自社株について、①遺留分算定の基礎財産から除外すること(除外合意)や、②遺留分算定基礎財産に参入する価額を合意時の時価に固定すること(固定合意)ができます。

この特例は、以上の合意を得た上で、経済産業大臣の確認、及び、家庭裁判所の許可を受けることにより効力が生じます。確認申請、及び、許可申立については、贈与等を受けた後継者である特定の相続人が単独で行うことができます。

この特例を利用するには、合意時点において3年以上継続して事業を行っている非上場会社の代表者であった者が、以下の要件を満たす後継者に同会社の株式を贈与等することが必要です。
・合意時点で会社の代表者であること
・株式を取得したことにより、会社の議決権の過半数を保有していること

なお、この合意と合わせて、後継者である特定の相続人が贈与等を受ける株式以外の財産や他の相続人が贈与を受ける財産について遺留分算定基礎財産から除外する合意をすることもできます。

自社株(事業)の承継等についての疑問、質問等があれば、是非当事務所にご相談下さい。
藤沢法律税務FP事務所

投稿者 弁護士 石和康宏

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